
サーマニードルとは?優れた点や導入メリット、よくある疑問を解説
この記事では、サーマニードルの施術概要と、どのような効果が期待できる治療なのかを詳しく解説します。また、サーマニードルとシルファームの違いや導入するメリットなどについてもご紹介しましょう。
幅広い肌悩みにアプローチできるサーマニードルは、美容医療の中でも注目したい施術の1つ。治療が難しいとされる肝斑へのアプローチも可能で、コスパにも優れており、医療機関と患者、双方に複数のメリットがあります。そんなサーマニードルの可能性について一緒に考えていきましょう。
目次[非表示]
- 1.サーマニードルの概要
- 1.1.サーマニードルの仕組み
- 1.2.どんな肌悩みに効果が期待できる?
- 1.3.施術の流れと推奨される頻度・回数
- 1.4.シルファームとの違いは?
- 2.サーマニードルの魅力とは?
- 2.1.痛み・ダウンタイムが少ない
- 2.2.幅広い肌悩みに対して一度にアプローチが可能
- 2.3.扱いやすくコスパに優れている
- 3.サーマニードルに関するQ&A|医師がよくある疑問に回答
- 3.1.サーマニードルの適応と見極め方
- 3.2.他の美容治療との組み合わせは可能?
- 3.3.サーマニードルとサーマジェンの違いは?
- 3.4.炎症ニキビがある場合は照射可能?
- 3.5.薬剤塗布のタイミングは?
- 3.6.基底層を効率的にリモデリングするには?
- 3.7.まとめ
サーマニードルの概要
まずはサーマニードルの仕組みや、どのような効果が期待できるかなどについて解説していきます。
サーマニードルの仕組み
サーマニードルとは、マイクロニードル(直径0.25mm)の針先からラジオ波(RF)を照射し、皮膚~真皮までの比較的肌の浅い層にアプローチする治療法です。
サーマニードルを行うことで、肌のハリや弾力を支えるエラスチン・コラーゲンといった成分を増生させ、理想的な肌を目指します。また、紫外線ダメージなどで肌に発生したメラノサイトが真皮に下垂することで、欠損・緩んでしまった基底膜を引き締める効果も期待できるでしょう。
サーマニードルは、シミなどの原因となるメラノサイトを破壊するのではなく、真皮の機能再生を目指す、マイルドな治療法。脱色素反を招くリスクも少なく、幅広い肌悩みに用いることが可能です。
どんな肌悩みに効果が期待できる?
サーマニードルは、30~40代頃の方が抱えやすい悩みである肝斑やシミ、たるみといったトラブルにアプローチできるマシンです。
サーマクールなど、タイトニング治療に使われるマシンでは、肝斑の増悪が起こるケースもありますが、サーマニードルではそのリスクが少ない傾向。肝斑の改善を目指しながら、引き締め治療を行うことができます。
前述した肌悩み以外にも、くすみや毛穴の開き、ニキビ痕や小ジワなどの症状に適応可能なマシンです。複数の悩みに同時にアプローチできる点も、サーマニードルの大きな魅力の1つといえるでしょう。
施術の流れと推奨される頻度・回数
施術の流れとしては、カウンセリング後に照射を行い、その後適切なペースで照射を繰り返すのが一般的です。施術時には、1パスごとにエクソソームなどを導入し、炎症を抑えるのが基本。
サーマニードルの施術では、1度の施術で2パス行うのが定番であるため、1パスごとにすぐに薬剤導入をすると良いでしょう。
サーマニードルの目安となる施術頻度は、2~4週間に1回程度。効果を実感するには、個人差がありますが3~5回ほど必要とされています。治療を重ねるたびに肌が変わっていくことを体感できる方も多いようです。
治療完了後は、半年~1年程度の間隔でメンテナンスすると、健やかな肌を維持できるでしょう。
シルファームとの違いは?
サーマニードル同様に、シルファームも肝斑改善効果が報告されているニードルRFです。これらの主な違いは、熱照射の方式。
シルファームはバイポーラ方式で、主に真皮層に効果を及ぼすと考えられています。
一方で、サーマニードルのモノポーラ方式では、バイポーラ方式同様に真皮層まで熱エネルギーを加えますが、その熱がさらに深い部分にまで広がりやすいという見方が。
そのため、赤み改善効果なども含めてサーマニードルのモノポーラ方式のほうが必要な層に対しての照射漏れが少なく、より効果が出やすい可能性があると考察されています。
サーマニードルの魅力とは?
ここからは、サーマニードルの詳しい魅力について解説していきましょう。クリニックに導入することで、治療の可能性が広がるかもしれません。
痛み・ダウンタイムが少ない
サーマニードルの施術直後には赤みが出る場合もありますが、数時間~当日中には引くことが多い傾向です。中には1時間程度で赤みが目立たなくなる場合もあります。このように、基本的にダウンタイムが短く、日常生活に影響を与えにくい点もサーマニードルの魅力。
また、施術中は針が肌に当たる際の衝撃で熱感などを感じにくく、痛みが少ないといった特徴もあります。内服薬なし、麻酔なしで施術する症例も複数存在し、美容医療に高いハードルを感じている方や、麻酔に抵抗がある方にとってもトライしやすいでしょう。
ただし、感じ方には人それぞれ。不安な場合は、麻酔クリームのご案内も可能です。
幅広い肌悩みに対して一度にアプローチが可能
サーマニードルに備わっている通常モードと肝斑モードを使い分けることで、複数の肌悩みがある場合でも、全顔照射できるケースがほとんど。
そのため、幅広いトラブルに効率的にアプローチできます。肝斑モードでは、肝斑とくすみ、肝斑とたるみなど、複数の悩みに対して1回の来院で一度に治療することも可能。肝斑治療の際に気になりがちな赤みに対しても効果的です。
そのため、ニキビによる赤みや酒さの改善にも役立ちます。もちろん、肝斑がなく、たるみ毛穴やシミ、ニキビ痕といった他の悩みのみの場合にも照射可能。
このように、サーマニードルはさまざまな肌治療に活用でき、施術できない部位がほとんどないため、患者側としても満足度が高い治療法の1つです。
治療後の肌を見ただけではいまいち違いが分からないことがありますが、ビフォーアフターの写真を撮影し見比べることで、効果を実感しやすくなります。
扱いやすくコスパに優れている
サーマニードルを搭載したマシンには、サーマジェンとしての機能はもちろん、ニードルを用いる肝斑モードも備わっているため、1台でさまざまな肌悩みに対応できます。
通常モードよりも痛みが軽微な肝斑モードであれば麻酔なしで治療することも可能で、患者におすすめしやすい点も魅力。
症状に合わせてモードを設定するだけと、簡単に操作できるため、扱いやすさにも長けています。ランニングコストにも優れており、低価格で施術を提供しやすいマシンです。
そのため、口コミが広がりやすくリピート率アップを狙うこともできます。
サーマニードルに関するQ&A|医師がよくある疑問に回答
サーマニードルに関するQ&Aと、その回答をまとめました。
サーマニードルの適応と見極め方
サーマニードルは、肝斑がある方、またはその素因がある方で、タイトニングしたいという場合にぴったりな治療法です。
ただし、明らかに黒い老人性色素斑がある方は、先に一般的なレーザーショットを行ってからサーマニードルでの治療をおすすめすると良いでしょう。
カウンセリングの段階で、肝斑が疑われる部位にはテープでマーキングを行い、モードを使い分けて治療することも覚えておきたいポイント。肝斑が疑われる部分には肝斑モードで、肝斑の後発部位でない箇所は通常モードで施術するのが好ましいと考えられます。
他にも、赤み、毛穴の開き、軽度のたるみ、くすみが気になる方、従来の肝斑治療で満足できなかった方などにもぴったりです。
ただし、極端な色素脱失がある、これまでの治療歴が不明な初診患者といった場合は慎重に治療の選択をする必要があります。少しの刺激で色素沈着が起こりそうな場合は、アグレッシブな治療は避けましょう。
また、エクソソームなどを併用し、炎症を抑えることも大切です。さらに、肝斑が疑われる場合にマーキングする際は、ペンを使用するとその色素がサーマニードルの施術によって押し込まれる可能性があるため避けましょう。
他の美容治療との組み合わせは可能?
ヒアルロン酸を用いで肌の深層部分における土台を作り、中層に脂肪溶解注射を用いて過剰な脂肪を取り除き、治療をするのも1例。また、治療の経過を見ながらレーザートーニングやピコレーザーと組み合わせる場合もあります。
反対に、ダーマペンやハイフ、IPLなどは組み合わせないほうが良い治療法。そもそも、肝斑には不向きな施術ですので、症状が悪化する可能性があります。
サーマニードルとサーマジェンの違いは?
サーマニードルは針を用いてラジオ波(RF)を照射しますが、サーマジェンはニードルを使用しません。そのため、局所的に熱を与えることができるサーマニードルは、より肝斑治療に向いているのではないかと推測されます。
また、サーマニードルでは、脂肪よりも浅い部分に作用してタイトニングすると考えられており、皮膚を押さえ込むような感覚で引き締めができるのではないでしょうか。
炎症ニキビがある場合は照射可能?
炎症ニキビがある場合には、いったんニキビを落ち着かせてからサーマニードルを使用するのが基本です。サーマニードルの施術では、長期的に見ると皮脂腺の働きを抑制することができると考えられますが、短期的にみると施術の反発でニキビが悪化する懸念もあります。
まずは保険適用の内服から試し、それでも症状が落ち着かない場合には、保険適用外の内服などを処方し、ニキビが落ち着いてからサーマニードルの施術を施すのが無難です。
薬剤塗布のタイミングは?
薬剤は1パスごとに塗布するのが基本です。中には、1パス後に薬剤を塗布してから2パス目を行うと薬剤が白くなることがありますが、とくに問題はありません。
ただし、熱に弱い薬剤を塗布する場合には、2パスしてから塗布するのが無難です。薬剤の特性に合わせて塗布のタイミングを見極めましょう。
基底層を効率的にリモデリングするには?
基本的にサーマニードルEVOの場合、0.3mmの深さをベースに施術します。また、2~4週間に1回の治療が推奨頻度です。患者のスケジュールを加味して、個々にマッチした治療間隔を提案してみてください。
まとめ
サーマニードルは、肝斑をはじめとする、さまざまな肌悩みにアプローチできるマシンです。マイルドな施術でありながら、効率的に健やかな肌を目指します。
施術中の痛みやダウンタイムが少なく、コスパにも優れているため、患者にとっても高い満足度が得られやすい治療の1つ。複数の悩みに同時にアプローチできるため、30~40代前後の肝斑やシミ、たるみといった肌悩みを抱えやすい年代の患者を多く抱えるクリニックにもぴったりです。
モードを設定するだけで、適切な治療が叶う扱いやすさも魅力。さまざまな可能性を秘めたサーマニードルをぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
この件についての動画解説はこちら
【治療の内容】マイクロニードルRF治療
【治療期間および回数の目安】1~3カ月に1回、計3~5回程度 ※治療期間や回数等は個人差があります。
【費用相場】1回約 ¥30,000~¥80,000
【リスク・副作用等】出血、赤み、色素沈着、炎症、腫れ、一時的なニキビなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。