
サーマニードルで肝斑治療が叶うのはなぜ?効果やメカニズムを解説
サーマニードルの「肝斑モード」は、治療しにくく再発しやすい肝斑を、新たな視点からアプローチする機能です。
従来のレーザー治療にあった、肝斑治療の課題をクリアしながら、根本から肝斑改善へと導きます。この記事では、サーマニードルによる肝斑治療のメカニズムやメリット・デメリットなどを解説。ニードルRFの可能性と未来を探っていきます。
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サーマニードルの「肝斑モード」とは?
ここからはサーマニードルの詳細をお伝えしていきます。
サーマニードルの特徴
そもそも「サーマニードル」は、マイクロニードルとRF(高周波)を組み合わせた機械です。
たるみや引き締めに有効なRFマシン「サーマジェン」の設定を変えるだけで、ニキビ痕や小ジワにもアプローチできる点がサーマニードルの魅力。サーマニードルの設定値を変えることで、肝斑の発生に深く関わる基底層~真皮層にもアプローチが可能になります。
サーマニードル「肝斑モード」の設定値
「肝斑モード」の出力は、最も低いレベルの「RF1」を使用。熱刺激を最小限に抑えることで、色素沈着のリスク回避を目指します。
針の深さは0.3mmが基本設定となっており、目元0.5mm、頬1mmなど、状況に応じて使い分けもできます。照射時間は30ミリ秒(ms)、2パス照射が基本です。ブースター(導入液)として、1パス毎にエクソソームやトラネキサム酸などの薬剤を導入することも可能です。
従来の肝斑治療との違い
肝斑の発症メカニズムは難解とされており、解明されていない部分が多くあります。そのため、レーザートーニングなどのシミ取り治療では、脱色素斑のリスクや、肝斑が消え切らないといったことが課題でした。
しかし、近年の研究により、肝斑治療には真皮へのアプローチが重要であることが分かってきたのです。
これを受けて、治療のアプローチ方法にも変化が訪れます。これまで主流だった「メラニン色素を破壊する治療」から「肌の環境を整え、根本から改善を図る治療」へとシフト。この考え方は、これまで諦めてきた肝斑治療に、革新をもたらすのではないかと注目を集めています。
サーマニードルが肝斑を治療するメカニズム
サーマニードル「肝斑モード」が、なぜ肝斑に効果的なのか、そのメカニズムを解説します。
1.真皮の線維芽細胞を再生する
ニードルRF治療は老化した線維芽細胞を減少させ、過剰なメラニン合成を正すことが報告されています。老化した線維芽細胞はメラノサイトに働きかけ、メラニンの合成を活性化するため、真皮の線維芽細胞の更新が肝斑の改善につながると考えられます。
線維芽細胞の老化は、紫外線などの外的要因が影響するものですが、遺伝的要因が関わっているケースも少なくありません。原因が特定しにくい肝斑だからこそ、真皮へのアプローチの有効性が、肝斑治療の打開策になるといえます。
2.メラノサイトを正常化する
紫外線によるダメージは皮膚の基底膜を破壊し、メラノサイトの下垂を引き起こすことが確認されています。下垂したメラノサイトは、真皮層においてもメラニンを生み出し、さらには真皮内にメラニンを蓄積。
放置したところ、数年後にも残存が認められたという報告もあり、肝斑が治りにくい原因に影響していることは明らかです。
ニードルRF治療は、本来コラーゲン線維の修復作用を持っています。肝斑治療においては、その作用によって、下垂したメラノサイトを再び本来の位置へと浮上させ、メラニンの合成環境を作り直す効果が期待できます。
なお、メラノサイトの下垂は老人性色素斑においても同様の所見が認められており、ニードルRF治療は、幅広いシミ治療に向いているという見方もできるでしょう。
サーマニードル「肝斑モード」のメリットとデメリット
ここからは、実際の治療にサーマニードルを取り入れるメリットとデメリットを解説します。
サーマニードル「肝斑モード」のメリット
サーマニードルの中でも「肝斑モード」は、とくに痛みを感じにくいため、多くの場合麻酔なしでの治療が可能です。施術後に赤みや腫れが生じた場合も、数時間程度で改善が見られ、ダウンタイムがほとんど必要ないことも大きなメリットといえます。
さらに、メラニンを直接破壊する治療と違い、皮膚の構造を整えることで肝斑にアプローチするため、脱色素斑のリスクが低い点も魅力です。
また、サーマニードルが本来持つタイトニング効果や肌質改善効果は、軽度のたるみ、小ジワ、毛穴、赤みなどさまざまなエイジングサインにも適応するため、肝斑治療とともに幅広いニーズに対応可能でしょう。
赤みを併発している肝斑に効果が見られるのもサーマニードルのメリットです。同じニードルRF機器であり、バイポーラ方式のシルファームを用いた肝斑治療の論文では、肝斑の重症度指数やメラニン指数は減少していたものの、紅斑指数のみ有意な改善効果が認められなかったという報告もあります。
モノポーラ方式を採用し、より深部まで熱エネルギーを伝えることができるサーマニードルだからこそ、肝斑と同時に赤み改善効果も期待できます。
サーマニードル「肝斑モード」のデメリット
サーマニードル「肝斑モード」のデメリットは、真皮層に長期間蓄積されたメラニン色素については除去しきれない可能性があることです。
サーマニードル「肝斑モード」の強みはあくまでも真皮の機能を正常化することにあり、深く根づいたシミについては、ADM治療のようにピコスポットなどを組み合わせる必要があるでしょう。
また、引き締めについても一定の効果があることは確認されていますが、脂肪への効果は限定的と考えられています。脂肪の量によっては、サーマジェンやそのほかの治療が先行されるケースもあることに理解が必要です。
サーマニードル「肝斑モード」のよくある質問
最後に、サーマニードルにまつわる疑問にお答えします。
効果的な治療スケジュールは?
サーマニードル「肝斑モード」は、2~4週間に1回のペースで、3~5回の施術を行うことが推奨されています。効果の持続期間は、約6か月~1年が目安です。患者様のライフスタイルや希望に合わせて、柔軟に治療計画を立てることが可能です。
導入薬剤を塗布するタイミングは?
トラネキサム酸などの薬剤は、1パスごとに塗布しても問題ありません。熱で蒸発して白く残るケースもありますが、施術への影響はないと考えて良いでしょう。ただし、熱に弱い成分の薬剤を使用する際は、2パス後の導入が望ましいでしょう。
治療が向かないケースは?
サーマニードル「肝斑モード」はマイルドな刺激が特徴ですが、稀に肝斑を悪化させるケースがあります。例えば初診の患者様の場合、過去の治療歴が不明なため肌状態の見極めが難しく、サーマニードルが適応するかどうか判断しにくいため注意が必要です。
また、炎症性ニキビがある患者様の場合も、重症度によりますが、まずは炎症を落ち着かせる治療が先行します。
他社ニードルRFとの違いは?
肝斑治療におけるニードルRF機器として、サーマニードルのほかにシルファームやポテンツァがあげられますが、これらの治療メカニズムに大きな違いはありません。
いずれの機器も、肝斑の原因となる基底層にアプローチし、肌構造の修復を促すという点で共通しています。
違いが現れるのは、主にチップの種類や搭載されている機能など、ソフト面の仕様、そして消耗品にかかるコストです。
K.O.techが取り扱う「サーマニードルEVO」は、既存技術は集約した上で、消耗品コストを他社の約半分に抑えていることが大きな特徴です。
これにより、患者様が無理なく継続的に治療を受けやすく、持続可能な治療の実現に貢献できます。
肝斑治療の新常識!「サーマニードル」のご相談はK.O.techへ
サーマニードルの「肝斑モード」は、真皮の皮膚構造から整えるという、従来とはまったく異なるアプローチ方法で肝斑を治療します。
サーマニードルが持つタイトニング効果や肌質改善効果も得られるなど、患者様にとってもメリットの多い医療機器です。
ニードルRFにはさまざまな種類がありますが、大切なのは継続のしやすさです。患者様とクリニック、双方のランニングコストに着目した、弊社のサーマニードルをぜひ検討してみてください。
この動画の詳細はこちらから
【治療の内容】マイクロニードルRF治療
【治療期間および回数の目安】1~3カ月に1回、計3~5回程度 ※治療期間や回数等は個人差があります。
【費用相場】1回約 ¥30,000~¥80,000
【リスク・副作用等】出血、赤み、色素沈着、炎症、腫れ、一時的なニキビなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。