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電極形状はホットスポットにどう影響する?RF治療の今後の展望も

RF(高周波)治療の効果を左右する重要な要素である、電極とホットスポット。今回は、ホットスポットの基礎知識をおさらいしながら、電極形状との関係について解説します。

また、質の高い美容医療につなげるために、フラット・凸型・球体の電極形状の特徴もまとめました。現在開発構想中の新たな電極もご紹介しますので、参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.ホットスポットとは?まずは基礎知識を整理
    1. 1.1.ホットスポットの定義
    2. 1.2.電極でホットスポットが問題視される理由
  2. 2.加熱方法と電極形状の関係
    1. 2.1.ジュール加熱の場合
    2. 2.2.誘電加熱の場合
  3. 3.ジュール加熱の電極形状はホットスポット形成に影響!それぞれの特徴は?
    1. 3.1.フラット電極の特徴
    2. 3.2.凸型電極の特徴
    3. 3.3.球体電極の特徴
  4. 4.今後の展望
  5. 5.電極形状とホットスポットの関係を理解して機器を使いこなそう


ホットスポットとは?まずは基礎知識を整理


まずは、ホットスポットとはどのようなものなのか、なぜ問題視されるのかをご説明します。


ホットスポットの定義


「ホットスポット」は、一般的には事象やエネルギーの発生がとくに高い地点を指します。美容医療におけるホットスポットとは、機器の電極を肌にあてたときに電流が過集中する部分のことを意味します。


電極でホットスポットが問題視される理由


ホットスポットが問題となるのは、一部分だけ熱せられてしまう可能性があるためです。ホットスポットが形成されると、痛みや火傷の発生につながる可能性があります。

そのため、治療を提供する際はホットスポットをつくらないこと、あるいは施術者がうまくコントロールすることが求められます。


加熱方法と電極形状の関係


次にジュール加熱・誘電加熱と電極形状との関係を見ていきましょう。


ジュール加熱の場合


ジュール加熱


ジュール加熱の場合は、電極形状が重要です。ジュール加熱とは、電流が流れる際の電気抵抗により、熱を発生させる方法を指します。電気抵抗、つまり電流を流れにくくする力によって分子がぶつかり合い、熱が生まれます。

ジュール加熱の主な例は、サーマジェンなど。電極形状としては、主にフラット・凸型があります。これらの形状がホットスポットの形成に大きく関与します。


電極を肌に押し付けたときにホットスポットが形成されることは、ジュール加熱の課題ともいえるでしょう。形状により電流の集中部位が変化することもあり、しっかりとした理解が必要になります。


誘電加熱の場合


弊社K.O.techが開発したサーマジェンEVOなどの誘電加熱の場合、電極形状によるホットスポットへの影響は少ないでしょう。誘電加熱は、電場、すなわち電気の力が働くエリアの影響により熱を発生させます。

つまり、誘電加熱では電場が主役。電極形状よりも、電極面積や電場形成が重要なのです。この場合、電極の大きさはホットスポットに影響する可能性がありますが、形状はそれほど関係ありません。


ジュール加熱の電極形状はホットスポット形成に影響!それぞれの特徴は?


電極形状


電場が主役の誘電加熱に対して、ジュール加熱では電極形状が重要です。ここからは、ジュール加熱に絞って、電極形状がホットスポットにどのような影響を与えるのか解説します。


フラット電極の特徴


フラット電極は、皮膚の上から骨に対して押し付けると中心部分の皮下脂肪が薄くなります。その結果、電気抵抗が下がって電流が集中し、ホットスポットが形成されやすいのです。

この課題を解決するために、弊社は皮下脂肪を持ち上げて電極を押し付ける方法を推奨しています。皮下脂肪が盛り上がると、電極を押し付けたときに厚さが均一となるため、ホットスポットが形成されるのを防ぐことが可能です。

 
なお、弊社の製品は、ホットスポットが形成されないように、マルチ電極構造を採用。均一な電流分布を実現しやすいように、電極1つ1つを独立させています。

ただし、皮下組織の厚い部分、薄い部分に同時に電極をあてると、不均一性が起こってホットスポットが形成される可能性は否定できません。


凸型電極の特徴


緩やかな凸形状の電極は、凹凸のある部位にも均一に熱を与えやすいことが特徴です。厚い部分に緩やかな凸形状の電極をあてると、肉を寄せなくてもある程度皮下脂肪が平面になるため、均一に熱しやすくなります。

また、凸面を押し付けることで、決まって中央にホットスポットが形成されます。それを頭の中でイメージしながら、施術者が使いこなせればよいという逆転の発想を生かした形状なのです。

つまり凸型電極は、電流自体は均一ではありませんが、技術者のコントロール次第で熱を調節できます。


球体電極の特徴


弊社が過去に考案した球体電極でも、常に中央にホットスポットが形成されます。サーマジェン1に付ける親指サイズのシャワージェンという名前の電極です。

球体電極は、皮膚にあてると必ず真ん中にホットスポットを形成します。技術者のスキルを生かして絶えず動かすことにより、コントロールしていくというのが球体電極の考え方です。

しかし、そのときは、見た目的な問題でリリース見送りとなった経緯があります。


今後の展望



球状電極


今後は、ホットスポットを動かす球体電極のリリースを要望に応じて検討していきます。方向性としては、サーマジェン1のアップデートでのリリースを検討中です。

また、サーマジェンEVOに関しては、完全に手技と指でホットスポットをコントロールする、追加の手袋型ハンドジェンをリリースしようと考えております。


電極形状とホットスポットの関係を理解して機器を使いこなそう


ホットスポットをあえてつくって技術でコントロールする球体電極は、フラットのマルチ電極と対極にある形状といえます。施術の提供に当たっては、電極形状とホットスポットの関係をよく理解することが大切です。

今後K.O.techは、技術者のスキルでホットスポットを使いこなす方向性のデバイスを開発する予定ですので、ぜひご注目ください。


この件についての動画解説はこちら



【治療の内容】サーマジェン(高周波RF治療)
【治療期間および回数の目安】1~3ヶ月に1回、4~6回程度 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥40,000〜¥100,000
【リスク・副作用等】赤み、腫れ、むくみ、熱感、熱傷、色素沈着、肝斑の悪化など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
 https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


【治療の内容】サーマジェンEVO(高周波RFによるたるみ治療器)
【治療期間および回数の目安】2~3ヶ月に1回 ※肌状態によって異なります。
【費用】1回 ¥22,000~¥66,000  ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】赤み、腫れ、浮腫みなど
【未承認医療機器・未承認医薬品等を用いた治療について】
・本治療には、国内未承認医薬品または未承認医療機器を用いた施術が含まれる場合がございます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクは報告されていませんが、リスクが明らかになっていない可能性があります。
-万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。



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