第1回美容皮膚科医向けニードルRF基礎入門

ニードルRF治療とは?気になるメカニズムとポイント

近年、美容医療の分野で注目を集めているニードルRF。従来のレーザー治療とは異なるアプローチで、肌質改善や肝斑治療に新たな可能性をもたらしています。

この記事では、プロの視点からニードルRFの基本原理、種類、気になる肝斑への効果までわかりやすく解説。ニードルRFとは何かを知り、効果的な美肌づくりに生かしましょう。


目次[非表示]

  1. 1.ニードルRFとは?新時代の美肌治療の基本
    1. 1.1.ニードルRFの仕組み:針とRFエネルギーの融合
    2. 1.2.なぜ今ニードルRFなのか?レーザー治療との違い
  2. 2.ニードルRF治療のメカニズム
    1. 2.1.目的に応じた針の深さ
    2. 2.2.RFエネルギーを操る重要パラメータ:周波数・パルス・電圧
  3. 3.知っておきたいニードルRFの違い
    1. 3.1.針のコーティング有無:絶縁針と非絶縁針
    2. 3.2.RFエネルギーの流し方:モノポーラとバイポーラ​​​​​​​
  4. 4.ニードルRFについて知り美肌づくりに取り入れよう


ニードルRFとは?新時代の美肌治療の基本


「ニードルRF」という言葉を最近よく耳にするという方も多いのではないでしょうか。

これは、極細の針を皮膚に刺し、針先からRFエネルギーを照射する治療法です。ここではニードルRFとは何か、基本的な仕組みについて詳しく見ていきましょう。


ニードルRFの仕組み:針とRFエネルギーの融合


ニードルRFの仕組み

ニードルRF機器は、先端に多数の微細な針(機種により25本、36本、49本などさまざま)が配置されている機器です。この針を肌にスタンプするように挿入し、針先からRFエネルギーを照射。

熱刺激によってコラーゲンやエラスチンの生成をサポートします。肌のハリや弾力の向上、小ジワや毛穴の開き、肝斑やニキビ痕などさまざまな肌悩みに対応できる治療法です。


なぜ今ニードルRFなのか?レーザー治療との違い



従来のレーザー治療や光治療(IPL)は、光エネルギーを用いて肌の改善を目指します。

しかし、エネルギーの多くは表皮で吸収・散乱されやすく、その一部しか深層部(真皮)に届きません。



皮膚の1番上の層である角質は、電気抵抗が高く、真皮や皮下組織などの下の層ほど電気抵抗は下がります。電気抵抗が高いということは、抵抗によって電気エネルギーが消費され熱エネルギーに変換されるということです。

これにより、皮膚の表面は熱くなるのに対して、中はあまり熱くならないということが起きます。一方、ニードルRFは針を使って物理的に真皮層近くや真皮層内に直接RFエネルギーを届けます。

そのため、効率的にターゲットとする深さに熱を加えることが可能です。


ニードルRF治療のメカニズム


ここでは、ニードルRF治療にいて重要な要素である針の深さの調整と、パラメータについて詳しく見ていきましょう。


目的に応じた針の深さ



ニードルRF治療の大きな利点の一つは、治療目的に応じて針の挿入する深さを精密にコントロールできる点です。

例えば、肝斑の治療など比較的浅い層(表皮)へアプローチする場合は、0.3~0.5mm程度の深さに設定します。一方、たるみやニキビ痕などへアプローチしたい場合は、0.7~1.0mmの深さに設定してRFエネルギーを届けます。

ターゲットとする皮膚層にピンポイントで熱を加えることで、治療効果を高め、ダウンタイムを最小限に抑えることが期待できるでしょう。


RFエネルギーを操る重要パラメータ:周波数・パルス・電圧


ニードルRFの効果には、照射されるRFエネルギーの特性も大きく関わっています。いくつかの重要なパラメータを詳しく見ていきましょう。



・周波数(MHz)
RFエネルギーが1秒間に振動する回数を示します。多くのニードルRF機器では、3~7MHz程度の周波数が採用されています。

周波数が低いほど理論上は深くまで到達しやすいとされますが(周波数の平方根に反比例)、その差は数ミリ程度であり、他の要素に比べて効果へのインパクトは限定的と考えられています。サーマクール(針を使用しないRF治療)の6.78MHzなどが有名です。



・パルス幅(ms)とデューティ比
パルス幅とは1回の照射時間の長さで、ニードルRFではミリセック(ms)単位で表します。また、1回のニードルRF照射時間(オンタイム)と照射しない時間(オフタイム)の比率をデューティ比と呼びます。

例えば、オンタイム2ms、オフタイム8msならデューティ比は20%です。パルス幅を調整することで、熱の入り方や組織への影響の度合いをコントロールします。


・電圧(V)
RFエネルギーの強さを決定する非常に重要な要素です。電圧が高いほど電流密度が高くなり、組織に与える熱エネルギーも大きくなります。周波数よりも電圧の調整の方が、治療効果に対するインパクトが大きいといえます。


これらの要素を適切に組み合わせることで、肌状態や治療目的に適したニードルRF治療を行うことができます。


知っておきたいニードルRFの違い


ニードルにはさまざまな種類があります。ここでは、知っておきたいニードルRFの違いについて解説します。


針のコーティング有無:絶縁針と非絶縁針


ニードルRFに使用される針には、大きく分けて絶縁針と非絶縁針の2種類があります。絶縁針は、針の先端部分以外が絶縁体(テフロンなど)でコーティングされたものです。

これにより、RFエネルギーは針の先端からのみ照射されます。ピンポイントで熱を集中させたい場合や、表皮への熱ダメージを抑えたい場合に有効です。


非絶縁針は、針の全体がコーティングされていません。針の全体からRFエネルギーが照射されます。より広範囲に熱を加えたい場合や、異なる深さに同時にアプローチしたい場合に適しています。


RFエネルギーの流し方:モノポーラとバイポーラ​​​​​​​



RFエネルギーをどのように体内に流すかによっても、ニードルRFの種類は分けられます。モノポーラは対極板を貼り、針と対極板の間にRFエネルギーを流す方式です。電流は針先から対極板に向かって広範囲かつ深部まで流れるため、全体的な引き締め効果などが期待されます。

バイポーラは、刺した針と針の間でRFエネルギーを流す方式です。電流は針の間(比較的浅い層)に集中するため、ターゲットとする範囲に局所的に高い熱エネルギーを与えることができます。


ニードルRFについて知り美肌づくりに取り入れよう


今回は、先進の美肌治療として注目されるニードルRFについて、基本原理から治療のメカニズム、種類まで解説しました。ニードルRFは肌の深層に直接働きかけることで、さまざまな肌悩みに対応できる可能性を秘めた治療法です。ニードルRFを導入し、美肌治療にお役立てください。


この件についての動画解説はこちら



【治療の内容】マイクロニードルRF治療
【治療期間および回数の目安】1~3カ月に1回、計3~5回程度 ※治療期間や回数等は個人差があります。
【費用相場】1回約 ¥30,000~¥80,000
【リスク・副作用等】出血、赤み、色素沈着、炎症、腫れ、一時的なニキビなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
 https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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